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吹奏楽の演奏会に来て欲しい


都民になったこともあり最近やたらTwitterで演奏会来てください!と叫んでる私なんですが、そもそも、そもそもだ
「なんか中学のときブラバン部がやってたけど眠かったわあんなん」
「あー響けユーフォね、みぞれちゃんかわいい。うん。」(なお私は未履修)
と、まぁ普通に生きていたらまず興味なんてない分野であることは間違いないわけです。
私だってスポーツとか全くダメですもんね。

 

しかしその道に生きる身として、より多くの方に聴いて欲しいというのは正直なところ。
そこで、今回は私の知ってるオタクたち向けに(なってるかは分からないけど)、よっしゃ次の演奏会には行ってやる!と思っていただけるよう、
吹奏楽のココがいいぞ!というところを紹介しようというのが今回の試みです。

 

さて本題の前に少し「吹奏楽」ってなんぞや?というところを整理しなければなりません。
吹奏楽と一言いっても国毎に差異があったり、吹奏楽という日本語が包括的な意味を持っているたりするために死ぬほどややこしいのが現実なのです。
そこで今回は大きく以下の4つの演奏形態を理解してもらえたら嬉しいです。

 

①オーケストラ
サントラでよく使われる言わずと知れたアレ。
ヴァイオリンをはじめとした沢山の弦楽器が指揮者を取り囲み、後ろの方に各楽器2人ずつくらい管楽器がいる。16世紀くらいには登場しており非常に長い歴史を持つ。

 

②マーチングバンド
歩きながら演奏するアレ。軍楽隊の血を濃く引いている。
歩きながら外で吹けるやかましくて丈夫な管楽器と打楽器が中心。

 

ブラスバンド
ブラス=真鍮である。つまり金管楽器(と打楽器)のみで編成されたアレ。ヨーロッパで人気。ホールでも外でも演奏される。19世紀くらいから発展してた気がする。

 

吹奏楽
今回の主役。
木管楽器金管楽器、そして打楽器で編成される(弦楽器はコントラバスだけいるよ)。
元々は軍楽隊が出自だが、現在の編成になったのは20世紀に入ってアメリカの教育機関においてである。
クラリネットが沢山いたらコレ。
その他特筆すべきこととして、標準編成に最近(19世紀半ば頃以降)になって発明されたサックスやバスクラリネットユーフォニアムが含まれる。
(オーケストラでも最近の曲だとたまに使われるが、それは比較的イレギュラーなパターン)

お分かりいただけましたか?
ちなみに②〜④は広義の意味で全て吹奏楽なのだが、今回は④の狭義の吹奏楽を扱います。


え?そもそも楽器の分類もよく分からない?
当たり前ですよね。
ざっくりこんな感じに覚えてください。
(これも楽器分類学とかいうAZALEAも真っ青な研究分野があって本当にややこしい)

 

・弦楽器
名前の通り弦がある。それで音を出す。
オーケストラで使うのはそれを弓で弾くやつ。ヴァイオリンとか。右手でわちゃわちゃ動かしてるのが弓。弦楽器の中でもこういう楽器を特に擦弦楽器サツゲンガッキなんて言うよ。
ちなみにギターも弦楽器だけどこれは特に撥弦楽器ハツゲンガッキ。覚えなくていいよ。

 

・管楽器
管に空気を通して音を鳴らすやつ。
リコーダーとかね。ペットボトルに息入れてぼーって鳴らしたらつまりそういうこと。特に金管楽器木管楽器とに分かれる。
これの厄介なのは金属製だったら金管楽器、ということではないという罠があるとこ。
マウスピースを使って自分の唇を振動させて音を出す構造を持った楽器が金管楽器
えっよく分からない?とりあえず後ろの方にいるトランペットトロンボーンホルンユーフォニアムチューバが金管楽器って思ってください。
木管楽器はマウスピースを使わない管楽器全般(雑)のこと。ちなみにクラリネットとサックスにもマウスピースというパーツがあるのだけど、金管のそれとは全く別物(死ぬほどややこしい。

 

・打楽器
音を出すのに行動に「物理」が見られたら大体これ。ただし弦楽器は除く(大人の事情)。目立ってかっこいいけど間違えたときは死ぬしかなくなる。
勘違いプレイヤーが多いのもココ(私怨)


はい、皆さんがここに辿り着くまでに9割の人がブラウザバックしました。
悲しいですね。私は必死なのに。

 

ではですね、本題に入りましょうか。私もかなり疲れてきました。

といってもオケの魅力とも被るところは多いので、それ吹奏楽だけじゃなくね!?みたいなのは許してください。
別に吹奏楽だけの魅力!とか言ってないし!

 


①クラシックって眠くならない?
はい、これです。まーーーだいたいこれです。
いやでも言ってしまえば映画やアニメのサントラと楽器編成は似てるのです。映画音楽の演奏会とかありますし。
皆さんにも好きなサントラありますよね?好きなメロディありますよね?
ある意味クラシックはメロディの宝庫です。1つの曲で沢山の旋律が姿を現します。前に現れたメロディが途中で形を変えたりします。
あなたが生まれてから探し求め続けている理想の旋律はもしかしたらクラシックの中に存在するかもしれませんよ。
あとクラシックって長い曲って長いからこそ2回3回と聴くと感じるものや聴こえ方が全然変わってきます。名作映画と一緒です。たぶん。

 

②いやでもやっぱ長いよ……
ええ、ええ、そうでしょうとも。
1曲1時間以上とかわりとあります。
でも吹奏楽は10分前後の作品もかなり充実しています。
あるいは考え方を変えてみてください。
ちょっと邪道っぽい聴き方ではあるのですが、長い曲は1つの壮大な音楽的物語です。
原題はSongs of Sailor and Seaという曲です。ちょっと聴いてみてください。
https://m.youtube.com/watch?v=aDb0HCEM9Z8
はい、ありがとうございました。
どうです?タイトルと曲の内容からどんなイメージを持ちましたか?試しに先ほどの記憶を辿りながらもう一度聴いてみてください。
ちなみに1楽章は「Sea Chanty(船乗りの歌)」、2楽章は「Whale Song(鯨の歌)」、3楽章は「Racing the Yankee Clipper(高速帆船の競争)」という副題がついてます。
海が見えましたか?鯨の神秘的な姿は見えましたか?
要するにクラシックは歌詞がなく曲自体も徐々に変化していくことから非常に情景を想像するのに適しているのです、
例えば詩を読んだときのように、曲の世界は我々のなかで無限の姿をとります。

今度は日本人の曲から1つ。
https://m.youtube.com/watch?v=QwRTP70yU1k
非常に明快な作りになってます。普段の私はこんなのクラシックじゃない💢💢とかキレてます。
まぁそれはさておき物語を具体的に想像してみてください。良い感じのストーリーができましたか?

クラシックの醍醐味の1つは作曲家の世界へ自分の感性をもって触れようとすることです。常々私は言っていますが感想は自由です。その曲の世界への体験を通して豊かなものを沢山捕まえられたら幸せです。


③楽器あんなに沢山いる意味あるの?
はい今日3つ目のごもっともです(自演
吹奏楽の面白さはここなんですここ。楽器がわんさかいるところが大切なんです。
はい、Aqoursのオタクはなんでもいいので直ちに好きなサントラ聴いてください。
OKですか?じゃあその曲で使われてるなかで一番好きな音色はなんですか?
はい、それですね。
じゃあそれが全く別の楽器だったらどうでしょう、ブブゼラとか、いやブブゼラに恨みとか全くないですけど。
ともかくそうです。そうなんです。
楽器1つ違えば曲のイメージは大きく変わります。その楽器が使われてること、その音色でそのメロディが奏でられることには大きな意味があるのです。
ほらポップスでもアコースティックver.とかあるじゃないですか?Daydream Warriorのアコースティックとかエモくないですか?私はエモくないと思います。

いやでもこの楽器の多さこそオケや吹奏楽の魅力なんです。
世の中には特殊管という概念が存在しまして、フルートとピッコロとかオーボエコールアングレとかファゴットコントラファゴット とか、まーともかくその楽器を小さくして音高くしました!楽器大きくして音低くしました!みたいな楽器群がいまして、音色も独特なものになるんですね。
そういうのを含めると何十種類の楽器があるわけで、しかもそこになんでもありの打楽器が加わるんです。
そして、更に管楽器の音色は別楽器同士でも溶けやすい、という特徴まであります。つまり醤油とプリン的な発想で全く別の新しい音色が生まれるのです。
百聞は一見にしかず。いやこの場所な百読は一聞にしかず。
楽器紹介の名曲、ボレロ(オケ)をお聴きください。いや吹奏楽じゃないんかい!って話なんですけどラヴェル(作曲家)の楽器の使い方明らかに人間じゃないんですよね。
https://m.youtube.com/watch?v=mhhkGyJ092E

それだけじゃありません。色彩豊かな作品を描こうとしたとき、それに適した沢山のパレットが必要です。楽器はカラーです。
信じられないことに曲によっては40人近い人が別のこと(音量の都合で人数は40人でもパート自体は20くらいとかいうこともあります)(合唱のときとかの人数とパートを思い出してください)をしながら1つの曲を作り上げることもあります。
楽器に演奏者の個性、全く別のカラーがそれぞれの役目をそれぞれの色で描くからこそ1つの作品が生まれるのです。
というか、時間と音を頼りにイヤモニなんてなく何十人の人が様々思いを抱いて1つの曲を紡いでいくってめちゃくちゃ面白いと思いませんか?


④あいつの気持ちが音に乗って……!みたいなことってあるの?

まぁないですね。漫画とかアニメとかもう会話しとるやんけ。演奏に集中せんかって感じです。お喋りしてたら多分指間違えます。夢も希望もない。
でもそれは具体的な気持ちの話。
抽象的な、例えば感情というレベルであれば(演奏者が伝えようと思っていれば)伝わるときもあります。
あっアイツめっちゃ愉快そうに吹くやん!とか、めっちゃ緊張してるやん!とか、完全に曲の世界に入っとるやん!とか、なんか降りてきてる…………とか、奏者同士は音楽があるからこそ繋がって音楽に向ける感情なりが1つになるときがあります。2人でデュオのソロやるとき、タイミングはもちろん相手のことをよく知ってると「あぁ、今この人はきっとこんな気持ちで吹いてるんだろうなぁ。じゃあこの後はこう吹こうか」なんていうのが分かり合えるし、
指揮者との関係も不思議なもので、慣れてくるとアイコンタクトでいけるようになるものです。個人的に最長なメッセージは「この後のソロは本来だと別の楽器にあるけど今はお前いけるよね?」です。
あれ、わりと具体的な気がしてきた……。

さて、この話は奏者や個人間の感情だけではありません。
ステージに50人の人間が立って、全員がその曲をそれぞれに必死に完成させようと試みているのです。そこに確かな鍛錬と感情が宿っていればときに1人の力を明らかに超えた何かが生まれるときがあります。
まるでその曲の世界へ奏者と聴衆が入って溶けていくような、大きな波のような、たぶんあの感覚は何十人もの演奏者という母体があるからこそホールに生まれる特別な何かなんじゃないかと思うのです。

楽器には時にその人の人生が映ります。50人の人生を背景にしていま1つの曲がカタチになるのです。そしてまた、聴き手にも人生があり、それを前提に作品を聴くのです。
曲の抽象性を描く多様な人生が、多様な人生を歩んできた人の中でまた無限の想像力をもってイメージとなるのです。

おそらく、吹奏楽のステージは最も沢山の色と感情が動く場所なんじゃないかな、なんて思ったりしていて、
そんな理想じみた場面は少ないのですが、それでも人生のなかでそのときを思い返したときちょっと思い出の色が違っている、そんな時間になったらと皆さんにクラシックの演奏会へ足を運んでいただけたら嬉しいなと思っています。